靴マーケティング最新レポート

平成23年12月05日

全世帯の消費支出は6ヶ月連続プラス
(財)日本統計協会の家計調査報告の最新レポートによれば、消費支出は昨年9月から伸び悩み傾向にあり、3月の東日本大震災により更に下落幅が加速し、8%を上回る大幅減となった。中でも交通通信、教養娯楽、水道光熱費の落ち込みが大きく、住居、保険・医療を除き全ての項目が落ち込んだ。政府・日銀による観測は、:景況は持ち直しつつあるとの見通しだが、消費支出の推移を見る限り大幅修正を余儀なくされよう。




消費支出の対前年同月実質増減率(全国)



勤労世帯の実収入及び可処分所得の対前年同月実質増減率



10大費目の対前年同月実質増減率(平成23年3月)
項  目 金  額  同月実質増減率 適  用
消 費 支 出 282,008円    △4.1%
 食   料     68,538円      △1.6% 外食、飲料など減
 住   居    21,435円    6.3% 設備修繕・維持、家賃地代など増
 水道・光熱     18,991円   △7.3% 電気代、ガス代など減
 家具・家事    10,266円    △3.1% 家庭用耐久財など減
 被服・履物   8,921円         1.8% 和服、履物類など増
 保険 医療  11,867円    7.2% 保健医療サービス、保険医療用品、器具など増
 交通 通信  37,872円      △12.6% 自動車等関係費、交通など減
 教   育  7,149円       △5.5% 授業料等、補修教育など減
 教養 娯楽  30,960円      △6.6% 教養娯楽サービス、教養娯楽用耐久財など減
 そ の 他  66,010円      △3.5% 仕送り金、こづかいなど減


回復基調にある靴・履物類の消費支出
靴・履物類の消費支出は昨年末から回復気味にあった消費支出は、3月東日本大震災で大幅減となったが、4月からは反動により消費支出の回復は著しい。中でも男子靴と婦人靴はV型回復を果した。半面、運動靴と子供靴はまだ水面下にあり回復力は弱い。



履物類品目別消費金額前年対比増減率

 年 月 運動靴   男子靴   婦人靴   子供靴  その他を含む計
22年9月 95.1 85.7 86.1 99.1 89.3
10月 113.2 81.2 109.7 101.9 103.8
11月 86.3 81.6 88.8 81.8 87.8
12月 94.1 92.3 100.7 100.8 97.0
23年1月 102.4 84.1 106.5 87.3 99.0
2月 111.8 73.8 81.6 116.2 91.0
3月 90.7 73.0 81.4 84.4 84.4
4月 107.3 108.0 103.9 101.5 105.4
5月 101.8 84.6 115.9 131.5 105.0
6月 87.6 102.2 106.7 70.3 98.5
7月 93.0 111.5 115.4 95.5 103.9
8月 104.4 130.5 118.5 92.1 112.9
通   算 99.8 92.4 101.3 96.8 98.2
総務庁統計局



 商品部門別昨年対比表 22~23年

        拡大図                  左欄は平成23年、右欄は平成22年度


靴専門店現場情報
22年の業績は99と前年を上回ったが、23年度は大震災直後を除き昨対102とクリアした。9月はレディスブーツ不振で昨対割れしたものの、10月後半から戻しつつある。靴はアパレルと違い消耗性が高く、世活必需品的な性格を持っているので、安定した業績を上げられる強みを持つ。本格的な復興需要により、24年度は靴需要のV字型回復が期待できる。


業績のパワーアップを図る早春から初夏に掛けてのMD戦略
大震災の影響で歩き回るスニーカーや、通勤難民靴としてビジネス靴やHDアウトドアが動いた。ファッションアイテムは夏が訪れるにつれ元気を取り戻して、ヤングを中心として需要は回復した。靴需要はいままでエコカー減税、エコ家電ポイントに流れ勝ちであったが、景気刺激策の縮小による反動と、復興需要の後押しによって、24年春以降は本格回復の期待が持てそうだ。

復興需要の盛り上がりは景況を押し上げ効果を高め、これからカジュアルとモダン色が強まる。レディスは昨冬に引き続きパンプスと春ブーツが拡大する。反面サンダルの立ち上がりは昨年同様遅れる模様、不況時にめげず頑張って働き抜く男前女の拡大によって、オックスフォード・デザインのアンクルパンプスや、べタのOJI靴が引き続き好調な動きを示す。春ブーツはソフトタイプのウェスタンとペコスタイプが夏まで継続。何れも節約疲れで単価が取れるアイテムが見直されている。春商戦は革物をキチンと提案して、ケミカル物は晩春と盛夏時だけの投入に抑えたい。

メンズは不況感の拡大と大震災で直撃を受けたが夏には回復、昨秋以降は前年をクリアした。昨冬は電力供給の悪化による、スーパー・ウォームビス・アイテムが盛り上がりで、ドレスとカジュアルの中間アイテムのビジ・カジブーツが急浮上した。いずれもオフィス履きに耐える高品質が求められたので、単価上昇による業績アップに寄与した。この流れは春にも継続、メンズの春ブーツが大きく期待出来る。カジュアルブーツも晩春から初夏に掛けて、ソフトペコスやトレッキングなどが、街履き用に良く動くだろう。注目株はブリット感覚のドレスシューズである。ストレートチップ、スワールモカ、モンクストラップの他、ロンドンティストの拡がりも見られるので、厚底のジョージコックスタイプが注目される。晩春からのヒットアイテムはサンダルである。春はナチュラル系のアウトドアサンダルからスタートさせて、初夏からスーパー・クールビス用にグラディエーターや、エレガントなモード系の革サンダルが活発に動くだろう。

昨対割れが続いていたスニーカーは春から底打。これから復興需要により景気回復が本格化して、売上げは上昇気流へ向かう。そこでスニーカー部門の好調カテゴリーアイテムを集積させて、昨対大幅クリアを目指したい。スニーカー部門のエースは、歩きながらシェイプアップ効果が期待できる、トーニングやローリングシューズが牽引アイテムだ。レディスにはLAギャル向けに、ヒールアップスニーカーや厚底オールスターが良く動く。ミセスには健康ブームでスタイリッシュなランニングが絶好調。アダルトにアウトドアライフ到来でトレイル系を、モード台頭でギャル男対象にロック系スニーカーが浮上するだろう。スニーカーは春以降大きく売上げを伸ばせる好調部門になりそうだ。





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